EDE「木の花ファミリー宿泊研修」

7/16〜7/17にかけてEDE(エコビレッジ・デザイン・エデュケーション)の体験学習である静岡県富士宮市にある木の花ファミリーでの宿泊研修の報告を致します。

木の花ファミリーとは、私の言葉で表現すると「自然と人にとって持続的なライフスタイルを実践するコミュニティ」で、現在は参加メンバー60人を超える大きなコミュニティで、EDEで講義をしていただいた”みちよちゃん”、”さのっち”、そして”いさどん”が在籍しているコミュニティです。

宿泊研修の内容は主に以下の6つです。

①木の花ファミリーの紹介
②農場・施設の見学
③ウェルカムコンサート
④大人会議
⑤農業体験
⑥振り返り

①木の花ファミリーの紹介

ここでは、木の花ファミリーが「自然と人との調和」の精神のもと、行っている取り組みについてお話を伺いました。木の花ファミリーでは、肉を食べない、有機農業の実践など数多くの取り組みが行われています。しかし、それらはあくまでも「自然と人との調和」という考え方、その考えに則った社会の実現のためのツールにすぎない事を強調されていて、「自然と人との調和」という考え方を最重要視していることが感じられました。

②農場・施設の見学

実際に木の花ファミリーで運営されている農場と養鶏場であるにわとり小学校、倉庫、ヤギ舎を見学させていただきました。倉庫では、EM菌をもとに、松、竹、笹などを加えた木の花ファミリーオリジナルの木の花菌を拝見させて頂きました。そしてにわとり小学校での見学では、木の花菌で発酵させた自家製の飼料により、鶏が飼育され、普通の養鶏場に比べ、悪臭はなく、木の花菌が善玉菌の活性化を促していることを実感することができました。

③ウェルカムコンサート

今回の研修に参加した緒方教授、そして緒方ゼミ4人のために木の花ファミリーの皆さんからウェルカムコンサートを開いていただきました。みんなで楽しく歌ったり、自然と感情に訴えかけてきたりと音楽の力を強く感じるコンサートでした。

④大人会議

木の花ファミリーの大きな特徴の一つである大人会議です。これは、1日の生活でお互いに感じた事を共有し、それをふまえた上で木の花ファミリーがさらに「発展」していくために、どうすべきかを話し合う場です。結成当時は話し合うべき事が多く、また議論の仕方も発展段階にあり夜通しで大人会議を行っていたそうです。現在は、まず、全体の会議で1日で何か変化等を感じた人が発言し、それに対して議論を行います。次に、畑部隊、子育て部隊など。各部隊に分かれて、1日の作業の確認と次の日に各自やるべき事を部隊内で共有します。そして、各部隊で話し合ったことを再度全体で共有し、他に何かあれば皆で話し合うという形態をとっています。各話し合いに時間を設定したりと大人会議全体がより効率的になるように色々と模索しているのがうかがえました。

⑤農業体験

次の日は、茄子、きゅうり、生姜の除草作業を行いました。単純作業のように思えますが土を掘り起こさないように鎌で雑草を刈るのは思った以上に難しいものでした。また、休憩中に”たっちゃん”から「化学肥料などの近代農業があったから、自分たちから孫の世代まで有機農業できるほど養分が多く含まれ土壌が形成された。」と伺いました。過去を否定するのではなく、過去を受け止め、どう変わるかそれが大切なのです。

⑥振り返り

最後に1泊2日の研修を通して、感じた事をもとに話し合いを行いました。

今回の訪問を通して強く感じた事は、コミュニティのあり方です。欧米の方で広まっているエコビレッジでは、高齢化が進み、若者を増やすために、個人で使えるお金を増やしたり、プライベートな時間を増やしたりと随所に個人主義を取り入れ、それにより、結成当時の目的とは程遠い状態になっているのがいくつかある中で、木の花ファミリーは、メンバーの大半が30〜40歳であるが、個人の財産は共有の財布という考え方を徹底している。さらに高齢者、子供達もいて新しい考え方と高齢者の知恵がうまく融合して、絶えずコミュニティが変化している。コミュティが膠着せず機能し、若者をうまく取り込めているのは、木の花ファミリーのメンバー全体に「自然と人との調和」という考え方が共有されていて皆が自己の成長に高い意識を持っている、そしてこの基本的な考え方さえ揺るがなければルールや取り組みに対して柔軟に変更しているからだと感じました。

つまり
1.ブレない基本軸の設定
2.ルールへの柔軟性
3.コミュニティの多層性

以上の3つがコミュニティのあり方として大切であるということです。また、これらの要素を、私達緒方ゼミという1つのコミュニティ、さらには環境班、地域開発班の提案に何らかの形で組み込んでいきたいと思います。

この宿泊研修は、木の花ファミリーのみなさまの協力があって初めて実現されたものです。今回の報告を通じて改めてお礼を申し上げたいと存じます。ありがとうございました。

文責:西野