メコンデルタ生態村調査

9月16日。アジアインターンシップも9日目。

この日の予定は、生態村の調査。
午後になり宿泊先のコックテーホテルを出発しメコンデルタ地帯にある生態村の調査に向かいました。

メコンデルタ地域は元々肥沃な土壌と豊かな水が存在する土地で、かつてはその水の影響で、幾度となく川が氾濫し人々を困らせた過去があります。しかし、フランス植民地時代に多くの犠牲を払って作られた運河により効果的になると農業の効率が向上。その後も、三毛作などにより生産量が向上し、人々の生活は目覚ましい勢いで改善してきました。

そんな、自然資本とそれを生かす社会資本を垣間見ることの出来るこのメコンデルタで生態村調査は行われたのです。

バスで国際農林業研究センターの泉さんと合流し一行は船の待つ港に向かったいました。

サンプルテキスト

メコン川クルージング

港近くでは水上市場が栄え多くの船が行きかう中、私たちもその中の小船に乗り込みました。生態村までは40分もかかってしまいました。なぜ船を用いたのかというと、この辺一体は運河が網の目状に張り巡らされているためバスが入れない。そのため今回は船で向かったのです。

1軒目に訪れたのはミカン村ミフン集落のナムさんのお宅です。
ここでは従来から行っている養豚と池の管理に加え、泉さんの指導の下、キーファーマーとしてバイオガスダイジェスターを導入しているとのことでした。バイオガスダイジェスターとは家畜の糞尿から排出されるメタンガスを燃料として活用するものです。

このナムさん宅での調査の結果主に以上のことが判明しました。
1:出荷物は中間業者が数ヶ月に一度買い取りに来る。
2:収入は4~5月で100~200$
3:村からは都市部に仕事を求めて出て行くものが多数存在。
4:地域内での人間関係はおおむね良好
5:土地が狭くVACが行えない

地域開発班の観点からみると、このような水上流通が栄えているメコンデルタにおいても中間流通業者の存在が確認されたこと、そして農家には価格の決定権がないことを知ることができたといった意味で非常に収穫のある訪問であったといえます。

インタビューでも明らかになった5は、ベトナム全土においても同じことがいえます。土地の相続問題等によりただでさえ狭い土地が分割され農業の効率化を阻害しているのです。一方、合作社の失敗によりベトナムでは合作社による集団農業が解体され、人々は個別農業に走っています。集団で農業を行わなければ農村の力はさらに衰退するそう考えることができます。

以前別の生態村でVACモデルを実行している農家の所得は通常の農家の2倍であると聞きました。国からの規制で行えない場合もあるが、どうやら話を伺うとベトナムの農村というものは非常に保守的らしく、現状維持を好むとのことでした。つまり、ベトナムの農村の実態というものは少なからず日本のそれと類似している点を持つということが明らかになったのです。

これらの調査で得た貴重な情報を元に、ベトナム農村の持続的な発展向けた提案をさらに深めていきたいと考えています。保守的な農村において自助努力による開発を行う事は容易ではありません。しかし、成功例さえあれば必ず追随する農家は現れる。と泉さんはおっしゃられていました。今後は我々緒方ゼミもそのような成功例をだせるように、この生態村で得た情報を論文に生かしていきたいと思います。