ナムディン省 Tu liem村の訪問調査

9月11日 アジアインターンシップ、3日目。

ナムディン生態村訪問

この村へは実際にVAC農法を行っている村の実態を調査する目的で訪問しました。
VACとはベトナムで近年環境保護と農村開発の視点から導入が進められている伝統農法のことです。
VはVuong(果樹園)、AはAo(養殖池)、CはChuong(家畜)をさし、それぞれの廃棄系バイオマスを循環させて相乗効果を図る農法のことです。
そのVAC農法で課題となっている資源の最適循環モデルを研究することも調査目的の一つでした。

この村はECO-ECO研究所のリン氏が啓発活動を行い、VAC農法を始めた村でした。
(ちなみにEco-Eco研究所とは、VAC農法をコミュニティ単位で行うエコビレッジを研究・普及させる調査機関のことです。)
ここには67世帯の農家が住んでいて、そのうちの27世帯はVAC農法を行っている農家でした。

村を訪問して、まず最初に村長宅にて質疑応答の機会が与えられました。
そこでは村の基礎データを収集することが主な内容となりました。

・米の収穫に関しては、収穫が2回の2期作
・その収穫量がhaあたり4.6t
・村の土地の大半が米栽培に使用
・その2割程度がVAC農法に使用

以上の内容のほかに、

・VAC農家の収入は米農家の2倍

という情報を得ることができました。このことからVAC農法の有用性を改めて認識することができました。

その後、2つのVAC農家を訪問しました。

1つ目の農家では、VACのAにあたる池がVにあたる果樹園を囲うように整備されていました。
これは池の養分を果樹園に利用するためだそうで、果樹園の土壌はとても豊かでした。
また池で養殖していたタニシはVACのCにあたる家畜の鶏のエサにしているそうです。

このように資源がVACのなかで循環し、お互いの機能を支えあっていました。

2つ目の農家では、家畜として豚を飼っていました。
豚の販売価格は1キロ300円で、豚一頭の平均体重は80キロでした。
ここでは、収入の2/3が家畜からの収入で、年間30~50万million VDでした。

このように家畜の経済性はとても高く、その農家も豚の増産に意欲的であることがわかりました。

この生態村への個人的な印象は、まだ始めたてというものでした。
1つ目の農家の果樹園では果樹が無秩序に植えられていて、通ることも難しい状況でした。
また果樹の剪定を行っていないので、全体的に果物は小ぶりであったり、果物の生りすぎで枝が折れているのもまま見かけました。
これは果樹栽培というバックグラウンドを持っておらず、情報蓄積の乏しさを示しているように思えます。
また2つ目の農家も、豚の増産に意欲的であったが、豚の飼いすぎで、その糞の循環バランスが崩れる可能性をうかがうことができました。
これはVAC農法全体のバランス崩壊につながりかねません。

今回の訪問調査により、VAC農法そのものの可能性とその難しさを再認識することができました。

文責:若林拓也