環境班 京都調査

環境班は8月9~11日にかけて京都調査に行ってきました。
目的は、森林管理の方法論としての「日本古来の入会の共有林管理」と「先進的な機械化林業」、この2つの比較調査です。

入会についての話を、右京区三国自治会長の田中さんにお話しを伺いました。

田中さん

入会というのは、その地域の人々が地域の山を大切な共有財産として共同管理するという考えです。
山で採れる木材もマツタケも、すべて村の人々皆のモノだったのです。

現在では、この入会はなくなってしまったものの、当時の考え方は残っているようでした。
「自分たちの森は自分たちで守りたい。森のことを一番知っているのも自分たち。山があるお陰でこの村はあるんだ。出来ることならば村の若者に引き継いでもらいたい。」と・・・。
山国地域では、このように山に対するプライドを持っている人が多く居ると仰っていました。

一方、先進的な機械化林業を学ぶため、南丹市にある日吉町森林組合の小林さんにお話を伺いました。

小林さん

現在の山は、所有者が細分化している上に、その所有者は山に関心がないため、適切な管理がされていないという現状があるのです。
そこで日吉町森林組合が、所有者一人ひとりに合意をとり、施業の契約を取ってその山を一括して管理します。
その際に機械を導入し、そのための作業道を作ります。

林業を成り立たせるためには、もちろん赤字ではいけません。日吉町森林組合のこの取組みは「提案型集約化施業」と言い、コスト削減に成功しています。

日吉町森林組合でお話を聞いていく中で先述の伝統的な考えとはまた違う、森に対する強い想いが伝わってきました。「集約化して木を出さないと日本の山は潰れる。出来る出来ないじゃなくてやってもらわないと困る。」

このように山国地域と日吉町森林組合は、同じく森林管理を行っていますが、そのアプローチの仕方が全く異なります。
山国地域は「住民」が「自分の財産」を守るために「集落単位」で森林管理を行っていた。
それに対して、日吉町森林組合は「森林組合」が「顧客の財産」を守るために「地域をまとめて」森林管理を行っています。

また、山を守るためには林業としてお金が出ないとやっていけない、という日吉町森林組合の考えに対して、山を林業で守っていく時代は終わった、という当時の入会関係者。
伝統的な考えと、新しい林業の相性は想像以上に悪いようです。

決定的に意見が分かれたのは、「これからの林業」について意見を伺ったときでした。伝統的考えをもつ旧入会地の方は「林業に先はない」。その一方で日吉町森林組合の方は、「林業は明るい」と自信を持った返答をいただきました。

両者の考え方が極端で、この熱い思いに優劣をつけることなど私たちにはできません。
伝統的な考えをもつ管理方法と、先進的な管理方法を上手く融合させて、林業を考えていくことはできないでしょうか。
ときには古い考え方が邪魔をすることもあります。ときには、先進的過ぎて精神面で大事なことを忘れてしまうことがありかもしれません。
以前のことを引き継ぎつつ、今の時代にあった山に対する手の入れ方を考えていくことが私たちの課題です。

ただ共通して言えることは、管理する者にとって山は大事な財産なのです。

文責:若林拓也・平野夏季